登記済証が紛失、滅失等により提出できないときおよび登記識別情報を提示できないときは、登記所より登記義務者の住所地に宛て本人限定受け取り郵便で登記意思の確認の通知が発せられる。
これに登記意思に間違いない旨の押印をして返送しなければならない。本人の意思確認を待ってその後に登記申請の受付をする。これが事前通知制度といわれるものである。
この本人意思確認手続きのため登記申請受付そして完了までに通常より日数がかかる。緊急融資などが絡みすぐ受付してもらう必要があるときは、司法書士に依頼して本人確認情報を作成して申請する方式によることになる。この専門家による本人確認情報の提供は、登記識別情報または登記済証の添付と同様の効果があり、登記申請と同時に直ちに受付される。
申請人の記載は、個人であれば住民票又は印鑑証明書に基づき、株式会社などの法人であれば法人登記記録に基づいて記載されているとおり正確に記載する。
氏名、商号又は名称については略字を用いることなく、また住所ないし本店についても「何丁目○番○号」又は「何丁目○番地の○」などと正確に記載し、「1−2−14」などと略記してはならない。
以前は縦書きの関係もあり改竄を防ぐため一二三の数字は壱弐参の多角文字を使用するとされていたが、申請書の横書きが採用されたときから算用数字に改められた。
例
宮城県気仙沼市何町104番地の7
小野寺宏寿
法人の場合は代表者(または支配人などの代理人)の資格氏名も記載する。
宮城県気仙沼市何町104番地の7
株式会社気仙沼フカヒレ水産
代表取締役 小野寺宏壽
(被相続人)小野寺宏作
宮城県気仙沼市中みなと町10番地
小野寺宏壽
(被相続人)小野寺宏作
宮城県気仙沼市中みなと町10番地
持分 2分の1 小野寺宏壽
宮城県気仙沼市東みなと町23番地
持分 2分の1 小野寺乙壽
(被相続人)小野寺宏作
宮城県気仙沼市中みなと町10番地
持分 2分の1 小野寺宏壽
宮城県気仙沼市東みなと町弐参番地
持分 2分の1 小野寺乙壽
不動産登記において物件の価格を課税価格とされる場合は、各市町村において固定資産税算定の基準として決定している評価額によるものとされる。
1千円未満の端数は切り捨てる。
新築建物等、評価がまだ為されていない建物は登記官の判断とされ、毎年登記所より計算の基礎となるu当たりの評価基準表が示されている。これには各種建物の種類や構造ごとにu当たりの評価額が明示されており、これを単価として面積を掛けて課税価格を計算することとなる。
公衆用道路など評価のない土地や地目が変更して評価が不適当となった場合は近傍の同等の土地の評価を基準として算定すべきこととされ、いろいろ難しいところがあるので、近くの司法書士や登記所に確認した方がよい。
この価格を明確にするために価格証明書として価格決定通知書(市町村長より法務局宛の通知)を添付するのが例となっている。この書類は市町村の税務課で発行を受けるが、個人の資産というプライバシーに関する記載があるものなので司法書士などの職務上の請求でないと面倒なときがある。
数字については123の算用数字を用いて記載する。
123万4000円 などと書く。
記載に用いる数字のうち一二三の数字は壱弐参の多角文字を用いて記載しなければならなかったが、申請書の横書きが採用されたことから123の算用数字に改められた。ただし丁目の番号は固有名詞と考えられ一二三でよい。
土地の記載例no1
所在 気仙沼市世田谷区大町一丁目
地番 2番3
地目 宅地
地積 123.80u
土地の記載例no2
気仙沼市世田谷区大町一丁目2番3
宅地 123.80u
建物の記載例no1
所在 気仙沼市世田谷区大町一丁目2番地3
家屋番号 2番3
種類 居宅・事務所
構造 鉄骨造亜鉛メッキ鋼板葺二階建
床面積 一階 53.28u 二階 47.33u
建物の記載例no2
気仙沼市世田谷区大町一丁目2番地3
家屋番号 2番3
居宅・事務所 鉄骨造亜鉛メッキ鋼板葺二階建
一階 一階 53.28u 二階 47.33u